この記事は、3月、4月出産予定のベビママで出産様式が帝王切開対象の方が、早生まれを避ける分娩方式について書きました。
早生まれを避ける?
早生まれのメリット、デメリットは昔から多々言われています。
メリット
- できなくて当たり前と思える
- 周りの子に刺激され成長していく
- 同世代の中で一番若い
デメリット
- 小さいうちは生まれが遅いので勉強や運動が周りと比べできない
- 保育園に預けにくい
成長するにつれ差異がなくなってきますし、早生まれでも成功している人、良かったと思っている人は大勢いらっしゃいます。ここではあまり良し悪しには触れません。
早生まれを避ける、あえて早生まれにしたいなど強い希望があれば、妊活の時期から予定日を調整することが必要です。しかし、現実的には授かりものなので難しい側面もあります。
特に出産予定日が3月から4月前後だと、子供が早生まれになるかどうか気になりますよね。数日の誕生日ですが学年が変わるので、すでにご兄弟がいるうちは年子、2学年差など意味合いが大きく変わってくることもあります。
予定帝王切開をTOLACへ
帝王切開は、逆子、子宮の手術既往歴がある人、多胎、前回の出産が帝王切開の場合に行われます。自然分娩が上手く進まず母胎の安全を判断して緊急帝王切開になることもあります。
予定日は妊娠週数40週ですが、帝王切開の場合は予定手術となり病院によっては37週から手術が組まれます。3週間も早い誕生になり、そうなると予定日が4月●日でも、3月生まれになることがあります。
産婦人科学会が出している診療方針のガイドラインを読んだところ、なるべく母胎で育てた方が予後が良いと記載があり、理想は38週〜39週のどこか、37週で分娩するのは早いとありました。37週で手術が組まれるのは、忙しい病院側の都合もあるように思います。手術日は、医師のシフトが組める時に実施されるので、たいがい平日です。健康面でもなるべくお腹にいた方がいいのであれば、予定日近くまでお腹の中にいてもいいように思いますよね。
1週間の調整であれば病院との相談によって4月以降に手術日を調整してくれる場合もあるでしょう。
そうではない場合。自然分娩だったら陣痛が来るまで少し可能性を伸ばせるということで、普通だったら帝王切開適応でも経膣分娩にトライさせてもらえるTOLACを選ぶという選択肢があるかもしれません。
帝王切開の手術日はいつ組むべきか
以下は、産婦人科診療ガイドライン2020のP254に下記記載があります。これを読むと、38週が妥当だそうです。
”妊娠 37~38 週の帝王切開は妊娠 39~40 週の帝王切開に比較して手術予定日以前の緊急帝王切開率が減少,新生児呼吸障害の頻度が増加したとの報告がある。ACOG,NICHD,NICE も妊娠39週以降の選択的帝王切開を推奨している。一方,選択的帝王切開29,647人を対象としたWHO多国調査によると,新生児罹病率,新生児死亡率は妊娠 37 週の選択的帝王切開で上昇したが,妊娠 38
週,39 週,40 週の 3 群間では有意差を認めなかった。””選択的帝王切開の施行時期は,各医療施設の体制や水準により総合的に判断し決定するべきであり,妊娠 38 週も選択肢として妥当である.妊娠 37 週での選択的帝王切開は有益性(緊急帝王切開率の減少)と危険性(新生児呼吸障害の増加)を勘案し新生児呼吸障害の発症に十分留意すれば選択肢となり得る”
産婦人科診療ガイドライン2020 https://www.jsog.or.jp/activity/pdf/gl_sanka_2020.pdf
TOLACとは
TOLAC(Trial Of Labor After Cesarean section、既往帝切後妊娠の経腟分娩トライアル)は、帝王切開など子宮手術の既往歴がある人が経腟分娩に挑戦できることです。通常は、帝王切開手術になりますが設備が整った病院で受け入れてくれるところがあります。成功率は60〜80%で、危険と判断した場合は帝王切開になります。すぐに対処する必要があるので限られた病院でしかできません。
TOLACのメリット
- 自然な分娩ができる
- 短い入院
- 母体にとって負担が少ないため産後の回復が早い
- 帝王切開手術の際の麻酔による事故、出血や感染、周りの臓器の損傷、また術後癒着などを回避
- 帝王切開のデメリットとして周囲臓器(膀胱や腸管など)損傷・縫合不全・術後腸管麻痺・次回妊娠での胎盤位置異常の増加、などの回避
TOLACのデメリット
・子宮破裂の発生率が予定帝王切開と比べて高い(1〜0.5%)
・頻度は多くはないものの出生時の状態不良(新生児仮死)や新生児死亡が増加するという報
告あり
TOLACができる条件
1)緊急帝王切開および子宮破裂に対する緊急手術が可能
2)既往帝王切開数が 1 回である
3)既往帝王切開術式が子宮下節横切開で術後経過が良好
4)子宮体部筋層まで達する手術既往あるいは子宮破裂の既往がない
対応病院
ネットで調べたところ、下記病院は条件付きで実施していることがわかりました。以前は実施していたけど、中止にしているクリニックも多いです。
日本赤十字病院 ※複数系列病院があります
済生会宇都宮病院
あおばウィメンズホスピタル
にしじまクリニック
最後の悪あがき
これをすれば予定日以降に出産できるという絶対的な方法はありませんが、調べた中で、こう過ごした方がいいという情報がいくつかありました。通常は、正産期すぎると、雑巾掛けやウォーキングなど、どんどん体を動かすように言われるので真逆のことがいいかもしれません。
- なるべくじっとしている、刺激を避ける
- 内診グリグリを避ける
内診グリグリは、子宮口の開きを触診していつ陣痛が来そうか目安を調べます。グイグイ押されて痛いのですが、その際の刺激で出血が起きたり、陣痛を引き起こす場合があるそうです。 - ラズベリーリーフティーなど陣痛を引き起こすのものを避ける
いろいろ述べましたが一番は母子ともに健康で出産できることです。それぞれの方のバースプランにあった良いお産ができることをお祈りしております。